2005年02月04日入庫

事故歴多数
悪夢のトヨタ2000GTを職人の意地で完全再生する


Old-timer No83(August 2005)に掲載
恐怖の左右非対称車

このクルマは少なく見積もっても、3回は派手な事故から 復活している。事故車といってもきちんと修復されていれば 問題はないのだが、フレームが曲がるほどの大事故を起こした にもかかわらず、ろくに修正されていなかったクルマである。

困ってしまうのが、以前の修理が中途半端ということ。曲がったり 場所によっては折れているインナーパーツの上に、強引にアウター パネルが乗っかっている。
こうなると、歪みを取るためにフレーム修正機をかけるのも難しいし、 しかも取り付けるために寸法をつめたり、伸ばしたりといった 帳尻合わせもされていて、これをひとつひとつ元に戻していかなければ ならない。

これがハコスカGT−Rだったら、潔く部品取りにしていしまうべき コンディションだ。GTのハコスカならまだたくさんあくるから、 使える部品を移植したほうが安くすむ。だがトヨタ2000GTには、 残念なことに移植して使えるようなクルマは存在しない。

取材のために工場を訪れると八武崎名人はいきなり『戦艦大和の心境 ですよ』という。それもしかたない。普通の人ならパテを剥いた段階で 沈没している。『もはや手遅れ』と、一度はがしたパテをふたたび 盛り直すのが関の山ではないだろうか。

--(雑誌より抜粋)--


Old-timerでの連載2回目です。
発売されるまで作業写真を載せられませんが
途中途中での経過写真を定期的に更新する予定です

作業風景をご覧になりたい方は、工場見学大歓迎ですので
是非お越し下さい。一見の価値有りです。